マウスへの外部スイッチ端子の増設

マウス操作でクリックボタンが押しずらい方への対応例

 手が不自由な人の場合、「マウスを使ってカーソルを動かすことはなんとかできるけれど、そこでクリックしようとするとカーソルが動いてしまう」というケースがあります。こういうとき、左クリックのボタンを外部のスイッチで操作できると、問題が解決する場合があります。

 ここではマウスに左クリックボタンのための入力端子を増設する手順を説明します。なお、このように端子部品をマウス内に置く場合には、ちょっと大きめのマウスを選ぶと良いです。また、どうしても小さいマウスを使いたい場合には、端子をマウスの外に出す方法もあります(後日、ナースコールの改造のところあたりでご紹介したいと思います)。

 ちなみに、私(Y田研究員)はこの端子に、長いコードのついたスイッチをつなげて、パワーポイントでのプレゼンテーションの時のページ送りに利用したことがあります(今はUSBマウスが主流なので、USBの延長コードを使った方が楽かもしれませんが^^;)。

 また、自作のプログラムを書くとき、マウスボタンのオンオフは外部入力信号としてとても扱いやすいものです。何かの計測プログラムなどで、「計測開始」の信号を送るために、このマウス端子につないだスイッチを利用したこともあります。

ノーマルな赤いマウスの写真 (02−1)

ある量販電気店で左の写真のようなUSBマウスを購入しました。

これを使って、マウスのクリックボタンがうまく使えない方の外付けスイッチを作りました。
ひっくりかえったマウスの隣にドライバーがある写真 (02−2)

マウスをひっくり返してみますと、ネジがありました。
空けて中を見たいので、ドライバーを用意します。
マウス裏面のネジ山にドライバーの先を当てている写真 (02−3)

ドライバーでネジを緩めます。

このマウスはこのネジ1つだけでしたが、たまにシールの裏などにネジが隠れていることがありますので注意してください。
マウスのカバーがはずれてスイッチやボール、ICなどが見えている写真 (02−4)

空けてみると、このような感じでした。

ボールの転がりを検出する部分と、クリックボタンが押されたことを検出するスイッチの部分があります。
スイッチ部分にドライバーの先を当てている写真 (02−5)

ドライバーの先で指し示した部分が、マウスの左クリックを検出する部分です。

押されると電流が流れるタイプの簡単なスイッチみたいです。
スイッチが固定された基盤の裏の接点にテスターを当てている写真 (02−6)

確認のため、テスターを当てて実際にスイッチを押してみます。確かにスイッチが押されたときに通電するようです。
スイッチがハンダ付けされている部分に、ハンダで導線を付け足している写真 (02−7)

この2点に導線をハンダ付けします。
導線の先にミニジャック端子がついている写真 (02−8)

2点から引いた導線の先にはミニジャック端子(メス)をつけます。

この端子に外付けのスイッチをつなぐことで、マウスのクリックを適当なスイッチでやってしまおうというわけです。
基盤とミニジャック端子が導線でつながっている写真 (02−9)

こんな感じです。
マウスのカバーにドリルで穴を開けている写真 (02−10)

ミニジャックの差込口を設けるため、マウスのカバーのほうにドリルで穴を開けます。
穴の開いたケースの写真 (02−11)

できあがりこんな感じです。ちょうど差込口がはまる大きさで空けます。
カバーの穴にミニジャック端子がはまっている写真 (02−12)

この穴にミニジャック端子を差し込みます。
差し込まれたジャック端子が固定されている写真 (02−13)

端子を固定してボールを戻すとこんな感じです。
カバーを閉じたマウスの写真。ジャックの差込口だけ増えている。 (02−14)

配線に注意しながらカバーを閉め、ネジ止めしてできあがりです。
増設した差込口にミニジャックを差し込もうとしている写真 (02−15)

ここにミニプラグを差し込めます。ミニプラグで接続できるスイッチでしたら、だいたいどんなものでも使えます。
大きな黄色い押しボタンが接続されている写真 (02−16)
このようなスイッチを接続すると、このボタンが押されるとマウスの左クリックが行われます。

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