無線アラーム送信機のミニジャック増設工作

Adding a connector to a wireless alarm transmitter
2019.08.02

無線アラーム(無線チャイム)

 無線アラーム(無線チャイム)は、「送信機のボタンを押すと、離れたところに置かれた受信機で音が鳴る」ような製品です。玄関のドアベルや、飲食店での店員さんの呼出やらに使われています。ボタンを押す以外に、ドアの開閉のセンサや赤外線センサなどに連動したものもあります。
 無線アラームの送信機にスイッチ等の入力端子がついたものは、福祉機器として便利に使える場合があります。具体的には次のような使い道があります。

(1)送信機のボタンを押せない人向けに、本人が使えるスイッチ等を接続して、呼出などに用いる。
(2)危険防止のセンサー(たとえば洗濯ばさみセンサ靴置きセンサ)を接続して、離れた場所に危険を知らせる。

 ここでは、安価な無線チャイムの送信機に入力端子(モノラルミニジャック)を増設する工作について説明します。

 なお、入力端子付きの無線アラーム送信機は、市販品もあります(受信機とのペア)。福祉機器なのでお値段はそれなりですが、サポートやリスクなどの面で不安がある場合には、市販品をお使いになる方がよろしいかと思います。 市販品の例:「ワイヤレスコール」(パシフィックサプライ社)。

※無線アラームのなかには、病院等で用いられる精密機器などに影響を与える物もあるようですので、ご注意下さい。

工作例

Physen無線アラームセットの写真  左の写真は、Physenというブランドのワイヤレスチャイムセット(左:受信機、右:発信機)です。通販で1セット1600円くらいでした。発信機だけだと900円くらい。複数の発信機・受信機を組み合わせて使うこともできます。これまではオーム社の製品を使っていたのですが、どうやら製造中止になってしまったようで、こちらに乗り換えました。
 同じPhysenでもいくつかのタイプがあるようで、これは「モデルA」だそうです。発信機は「ピアノ式 」と表現されていました。他に、発信機がもう少し小型のものもあって、最初はそちらでも工作をしてみました。しかし、この「モデルA」の方が筐体(ケース)の中の空きスペースが広くて、工作しやすいと思います。


Physen無線子機、改造前後を並べた写真 発信機とスイッチの写真 発信機とセンサー写真
 上の左の写真は、端子増設前と後の製品を並べたものです。端子を増設すると、真ん中の写真のように外部スイッチを接続したり、右の写真のようにセンサーを接続したりできます。外部スイッチが押されたり、センサーがONになったら、本体のスイッチが押されたのと同じ状態になります。

無線子機のダミープラグが引き抜かれるgifアニメーション  スイッチやセンサの接続端子を増設する場合、通常「脱落感知」の機能をつけるようにしています。これは端子に接続されたものが抜けたら、本体のスイッチがONになる機能です。センサなどが抜けて(抜かれて)しまった場合に、アラームが鳴るようにするためです。
 この機能があるので、左の写真のように、「端子に挿したダミープラグを引き抜くとアラーム」という使い方も可能です。
 防犯ブザーのような使い方もできますし、引き抜きセンサとしても利用できます(ダミープラグを削って、抜けやすくしておくと良い)。
 引き抜きセンサは、洗濯ばさみセンサと同様の使い方が可能です。

作り方

※ ご注意・免責事項
 改造やご使用はあくまでも自己責任でお願いします。改造やご使用に関して何か問題や損害が生じた場合でも、このページの製作者やその所属機関などは一切の責任を負いません。あらかじめご了承下さい。

ミニプラグの写真その1 ミニプラグの写真その2 【必要な部品】ミニジャック
 この工作については、本体以外に必要な部品は写真のような「ミニジャック」のみです(他に電線も必要)。
 ミニジャックは、Φ3.5mmのミニプラグが刺さるメスのコネクタです。モノラルとステレオがありますが、どちらでもかまいません。値段がほぼ同じなので、ステレオを買っておくと良いでしょう。
 この写真のように足が5本あるタイプのものは、後述する脱落感知機能をつけることができます。

発信機の内部の写真 【発信機の内部】

 ケースを開けて、中のネジを取ると、写真のように三枚おろしになります。
 電池の横に、いい感じのスペースがあるので、ちょうどそこにコネクタが配置できます。
ケースに開けた穴の写真1 ケースに開けた穴の写真2 【ケースの穴開け】

 写真のような位置に、ドリルで穴を開けます
 (直径6mm)
発信機の結線の写真 【ジャックの取付と結線(半田付け)】
 ケースに開けた穴にジャックを取り付けます。写真のように結線します。基板のスイッチの部分から2本の線をとるのが普通ですが、この基板の場合、スイッチの片方がプラス電源と同電位だったので、線の一方は電池のプラスの端子部分に接続してあります。
 この装置は、電池交換時に基板を外す必要があるので、その際に電線が切れないように、電線はあえて長めにしてあります
 ジャックの部分は、赤いコードのような接続をしておくと、ジャックにプラグが刺さっていない時にスイッチONの状態になります(どこを接続するとそうなるかは、製品によって異なります)

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