UCM解析

あとがき

作成日 2015.6.24

 "S銀研究員"こと 白銀 暁

 長い間、お付き合いを頂きまして、ありがとうございました。また、早くから見てくださっていた方々には、進行に大変時間がかかり、申し訳ございませんでした。連載開始当初にはまったく予想しえなかった、まさかの連載中の2回の転職を挟み、そのたびにバタバタして原稿を滞らせてしまいました。
 このUCM解説ページは、吉田さんもおっしゃられているように、僕がUCM解析について質問したことがきっかけではじまりました。原稿も、まずは実際に教わってみて、僕の理解した内容を叩き台にする方法で作っていましたので、このページはすなわち僕の勉強の歴史の一部でもあります。この段階に至っても、内容のすべてを理解しているとは正直言い切れませんが、吉田さんに出会い、こういった解析手法の面白さや奥深さ(と自身の解析能力の拙さ)を知ることができて幸せでした。このページをご覧になってくださった方々にとっても、僕と同様に、日々の臨床や教育・研究に少しでも役立つ情報となれば本当に幸いです。


 "Y田研究員"こと 吉田 直樹

 このややこしい話におつきあい頂きまして、ありがとうございました。
 このUCM解説ページは、実際にS銀研究員こと白銀暁さんから吉田がUCMについて質問を受けたのがきっかけで作りはじめました。まさに「その1」の出だしそのままの状況でした。もうはっきり覚えていないので記録をみると、このページを作り始めたのは2006年のようです。実際、そのころUCM解析についての日本語の情報はほとんどなく、せっかく説明をするならそれをまとめてホームページにのせておけば誰かの役にたつこともあるかもしれないと考えました。
 一方で、この情報を必要とする人はごくごく小数で、その中でこのページにだとりついて見てくれる人は皆無に等しいとも予想していました。そうだとしても、ページを作る作業を通じて自分の理解を整理することもできますし、白銀さんの理解を深めることもできので、それだけでも良いかなという気持ちでした。また、もし間違って(?)このページにたどりついた人がまかり間違ってUCM解析に興味を持つようなことになったら面白いなという思いもあり、前半は数式もほとんどなく思いっきり基礎的な内容から話をはじめてみました。
 しかし、公開をはじめると知り合いから「読みましたよ」と知らされたり、まれに面識も無い方から「更新の予定はあるか」とメールを頂くこともあり、モチベーションがあがると同時に、「よくこんなマニアックなページを見るな」と逆に驚かされました。UCM解析に興味を持つというのは、ある意味「マニア」だと思います。マニアは互いに親近感を持つものなので、このページを読んで下さった方に対しては、私は「同士」のような感覚を覚えます。
 ページ作成開始から完成まで、なんと9年もかかってしまいました。作成開始1年程度は、まあ順調で「その7」まで完成しました。その後は本務多忙その他で年1回の更新、さらに白銀さんの転職があり、誰も手をつけない未完の原稿がずっと放置される状況になり、このまま完結せずに終わってしまうかもという気にもなりました。そこをなんとか粘って、完成までたどり着くことができました。
 このページは毎回、次のような手順で作成しました。はじめに、実際に吉田が白銀さんにUCM解析の説明を行います。その時の手書きの図や、時には録音内容などを元に、白銀さんが自分の理解した範囲で最初の原稿を作ります。その時点で、うまく伝わっていない部分などが見えるので、そこから吉田が大幅に手を入れた原稿を作ります。図を追加したり、会話の分担を変えたり、元の会話には無かった質問や回答を追加することもあります。その原稿をさらに白銀さんが目を通し、最後にページのレイアウトなどもチェックして、完成です。
 このように、白銀さんの貢献大なのですが、もし内容に間違えや不適切な部分などあれば、その責は吉田にあります。そのような部分に気づかれた場合には、ご指摘頂ければ助かります。
 作成開始時と比べて、UCM解析に関する日本語の情報もだいぶ増えてきました。より本格的な情報にもアクセスできるようになっていると思います。最初に少し夢想したように、このページがUCM解析の理解の助けになったり、あるいはこのページがきっかけや導入になって、UCM解析を理解したり応用したりする方が出るようなら、とても幸せです。



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